ヴェネチアン・マスク
イストワールのコンセプトは
ラウンジに展示されている
益山英吾画伯の代表的モチーフ「ピエロ」の作品群でお分かりの通り
「お祭り」です。
キャッチコピーも
「人生はお祭りだ!一緒に過ごそう」と
フェリーニのお言葉を借用しておりますが(笑)
私のアイデアです。
昨年は田辺祭りの流鏑馬御宿を担わせて頂いたので
「日本のお祭り」に片寄りましたが
イストワールのお祭りの基本コンセプトは
「カーニバル」。
それも陽気なサンバのリズムで踊るリオのカーニバルよりも
仮面舞踏会の流れを汲むヴェニスのカーニバル。
そこで
玄関に
ヴェネチアン・マスクを掛けました。
これは「三日月」なので
どうしても上を向いて
顎が出てしまうのが難点(笑)
ヴェニスは謎めいた雰囲気が魅力の街です。
水路や路地が迷路の様に複雑に絡み合って
この先に先に何があるかワクワクしながら散策できます。
こうしたマスクも街のあちこちに掛かっていて
仮面舞踏会の妖艶な雰囲気も漂っています。
フェリーニのライバル(?)、ルキノ・ヴィスコンティの
「ベニスに死す」の舞台としても有名ですね。
タイトルの通り
ダーク・ボガード演じる主人公の死が見どころですが
(外目にはピエロにも見えてしまうのだけど)
化粧を施して
最後まで己の美学を貫いた死に様は
とても美しく立派です。
こうした死に方も有りなのだと
考えさせられました。
私は
「人生の玄人」が過ごす終の棲家を
じっくり考えて仕込んでいきたいと考えています。
そして
終の棲家には
この様な小道具も有って良いのでは?
と思います。